2025.8.1

耐熱性絶縁塗料なら〜東京熱化学工業 サーモジンがおすすめな理由〜

東京熱化学工業の絶縁塗料は、高温環境でも優れた電気絶縁性を発揮する特殊塗料です。50年以上にわたり高機能性塗料の開発・製造・販売を行ってきた当社のサーモジンシリーズの絶縁塗料は、設備の安全性向上とメンテナンスコスト削減を実現可能にします。

この記事でわかること

    • サーモジンNI720-BK、MF300R、NI-7の3製品それぞれの特性と適用温度域
    • 耐熱絶縁塗料が一般塗料と比べて持つ決定的な優位性
    • 産業現場での具体的な導入効果
    • 塗料選定時の重要ポイント

高温環境に最適な絶縁塗料の特性

耐熱絶縁塗料は、高温環境下で電気設備等の安全性と寿命を確保するための重要な保護塗料です。

温度上昇による絶縁劣化を防ぎながら、電気を通さない性能を長期間維持できる特殊な塗料で、モーターやインバータ、EV部品の「熱」と「電気」トラブルを同時に抑える為などに使用されます。

耐熱 絶縁塗料が必要とされる理由

電気設備、特にモーターやトランス、ヒーター周辺の配線は、稼働中に200℃を超える高温になることがあります。

一般的な絶縁材料ではこうした高温環境下で急速に劣化し、絶縁性能が失われて設備故障や火災の原因となります。

また、10℃半減則では、温度が10℃上昇するごとに推定寿命が半減し、逆に、温度が10℃低下すれば推定寿命が倍増することが述べられています。(絶縁構成より抜粋:https://cranenet.or.jp/tisiki/pdf/dendou_09.pdf)

つまり、適切な耐熱 絶縁処理がない場合、絶縁材の寿命が通常よりも早まってしまうことがわかります。

お客様:「高温の電気モーターを使用していますが、頻繁な絶縁劣化でメンテナンスコストがかさんでいます。何か良い対策はないですか?」

東京熱化学工業:「耐熱性のある絶縁塗料を使用することで、高温環境でも長期間絶縁性能を維持でき、メンテナンス頻度を減らせる可能性があります。」

耐熱絶縁塗料を使用することで、高温環境下でも安定した絶縁性能を維持し、設備の安全性向上とダウンタイム削減につながります。

一般塗料と耐熱絶縁塗料の決定的な違い

一般塗料と耐熱絶縁塗料では、その性能特性に大きな違いがあります。以下の表で主な違いを比較しました。

特に重要なのは絶縁破壊強度の違いです。

サーモジンNI720-BKの場合、15.7kV/mmという高い絶縁破壊強度を持ち、一般塗料の3〜5倍の電気絶縁性能を発揮します。

また耐熱性においても、一般塗料が100℃前後で軟化・変形するのに対し、耐熱絶縁塗料は200℃以上の環境でも形状と機能を維持します。

このような性能差により、産業用電気設備の保護には一般塗料ではなく、専用の耐熱絶縁塗料の使用が不可欠になっています。

産業現場における絶縁不良がもたらす深刻なリスク

お客様:「絶縁不良だとどうなりますか?」

東京熱化学工業:「絶縁不良は、危険な故障が起きる可能性がでてきます。」

絶縁不良は、産業設備において最も危険な故障原因の一つです。具体的には以下のような重大なリスクをもたらします。

例えば、自動車部品工場で絶縁不良によるモーター故障が発生し、生産ラインが12時間停止した場合、大きな損失が出ることは、容易に予測できます。

当社のサーモジンシリーズの絶縁塗料を使用することで同様の環境でも安定的な稼働を継続できる可能性を高められます。

適切な耐熱絶縁塗料の選定は、このようにリスクを大幅に低減し、設備の安全性と生産効率の向上に直結します。

耐熱性と絶縁性の両立が重要な理由

電気設備保護において、耐熱性と絶縁性を同時に満たすことが極めて重要です。
高温環境では絶縁材料の分子構造が変化し、通常の絶縁材料では絶縁性が低下する傾向があります。

たとえば一般的な絶縁材料は200℃の環境で体積抵抗率が低下することがあります。

一方でサーモジンNI-7のような高性能耐熱絶縁塗料は、高温環境でも非常に高い体積抵抗率を維持します。

また、熱サイクル(加熱と冷却の繰り返し)による膨張・収縮ストレスは、塗膜のひび割れや剥離を引き起こし、絶縁性能を急速に低下させます。

東京熱化学工業の耐熱絶縁塗料は、こうした熱サイクルに対する耐性も高く、サーモジンMF300Rは300℃までの温度変化でも密着性を保持し続けます。

耐熱性と絶縁性を両立することで、高温環境での絶縁破壊リスクを最小化し、設備の安全性と長寿命化を実現できます。

東京熱化学工業のサーモジンシリーズ製品比較

東京熱化学工業のサーモジンシリーズは、高温環境下でも優れた絶縁性能を発揮する特殊塗料です。

各製品は温度域によって使い分けられ、産業用電気設備の保護に最適な特性を備えています。

サーモジンNI720-BKの性能と適用温度域

サーモジンNI720-BKは、200℃までの耐熱性を持つ変成シリコーン樹脂系塗料です。15.7kV/mmという高い絶縁破壊強度と6.0×10¹³Ω・mの体積抵抗率を有し、電気設備の安全性を確保します。

鉛筆硬度は2H~4H、付着性試験では100/100と優れた密着性を示すため、長期間の使用でも剥がれにくい特徴があります。

モーターのコイル巻線やトランスの絶縁処理など、200℃前後の温度環境で使用される電気機器に最適です。

黒色を基本としていますが、グレーや緑、青、黄色などの多様なカラーバリエーションがあり、用途に応じた色調選択が可能となっています。

サーモジンMF300Rが優れる300℃環境での特性

サーモジンMF300Rは、300℃までの高温環境に対応できる変性シリコーン樹脂系塗料です。

銅やアルミ、ステンレスといった各種金属への密着性が特に優れており、硬い塗膜を形成して防錆力と耐薬品性を兼ね備えています。

電気絶縁性能においては、常態で10¹³Ω・cm以上、浸水後でも10¹²Ω・cm以上の体積抵抗率を維持します。

絶縁破壊の強さも0.1mmの塗膜厚さで2kV以上を確保するため、過酷な環境下での電気安全性に貢献します。

塗装後は180~200℃で10~20分間の焼付処理が必要ですが、その後は優れた隠蔽力と作業性の良さで、複雑な形状の部品でも均一な塗膜形成が可能になります。

サーモジンNI-7の超高温550℃環境での絶縁性能

サーモジンNI-7は、シリコーン系耐熱絶縁塗料の中でも特に高い耐熱性を誇り、最大550℃までの超高温環境でも安定した性能を発揮します。

14.3kV/mmの絶縁破壊強度と8.25×10¹⁴Ω-cmという非常に高い体積抵抗率を持ち、極限環境下での電気絶縁処理に最適です。

塗膜の硬度は鉛筆硬度4Hと高く、耐久性に優れています。

500℃の高温環境下で240時間連続使用しても、ひび割れや剥がれが発生しないという驚異的な耐熱性を持っています。

焼付条件は標準で250℃×20分ですが、コイル処理などの用途では300℃×4時間以上の焼付が推奨されます。

各製品の塗膜強度と耐久性の違い

サーモジンシリーズ3製品は、それぞれ異なる塗膜特性と耐久性を有しています。

NI720-BKは多様な用途に対応できるバランス型で耐磨耗性を持っています。

一方、MF300Rは耐薬品性に優れ、特に金属への密着性が高いため、腐食環境下での使用に適しています。

NI-7は3製品の中で最も硬く、高温での長期使用を想定した設計となっています。耐衝撃性試験でもひび割れや剥がれが発生しない強靭さを持ち、厳しい環境下での信頼性を確保します。

これらの特性の違いにより、使用環境や要求される耐久性に応じて最適な製品を選択することが可能です。

産業現場での具体的な導入効果

【モーター製造業】

モーター製造業では、コイル巻線の絶縁処理にサーモジンMF-300Rをおすすめします。

300℃の高温環境下でも絶縁性能が初期値にちかい性能を維持する可能性が上がります。また、体積抵抗率が10¹²Ω・cm以上を保持し続けることで、漏電や短絡事故のリスクを大幅に低減できます。

この塗料の採用により絶縁不良による返品率が従来比より減少し、製品寿命も向上する可能性が高まります。

【変電設備や配電盤】

変電設備や配電盤など電力インフラでは、サーモジンNI720-BKをおすすめします。

通常稼働時に150〜200℃の高温になる環境でも、変成シリコーン樹脂系のNI720-BKは15.7kV/mmという高い絶縁破壊強度を維持します。

【工業用ヒーターメーカー】

工業用ヒーターメーカーには、最も過酷な温度環境に耐えるサーモジンNI-7がおすすめです。

550℃という超高温環境でも安定した絶縁性能を発揮するNI-7は、ヒーター周辺部品の絶縁処理に最適です。制御基板周辺・電源供給部・ヒーター接続端子などの過酷な温度環境でもひび割れや剥がれが発生せず機器の性能を長期間維持できる可能性が高いです。

耐熱絶縁塗料の選定ポイント

耐熱絶縁塗料の選定で最も重要なのは、使用環境の最高温度に合わせた製品選びです。

温度帯によって最適な製品が異なります。

製品選定では、通常運転時の温度だけでなく、異常時の最高温度も考慮することが大切です。

例えば通常200℃の環境でも、一時的に250℃まで上昇する可能性がある場合は、300℃対応のMF300Rを選定するといった余裕をもった選択が望ましいでしょう。

また、温度変化が激しい環境では、熱サイクルによる塗膜の劣化が早まることがあります。

このような条件下では、より高い耐熱温度を持つ製品を選ぶことで、塗膜の寿命を延ばすことが可能です。

まとめ

今回は、耐熱絶縁塗料なら〜東京熱化学工業 サーモジンがおすすめな理由〜について解説しましたがいかがでしたでしょうか。当社は、モーターやヒーターなどの絶縁塗料による絶縁不良リスクを低減し、設備の長寿命化に貢献します。

耐熱性の絶縁塗料のことでお困りの際は、お気軽にお問合せください。